刃物の刃《エッジ》の形状には様々な種類がありますが、スカンジナビアンエッジとはブレードのとある部分から鎬線《ベベル開始線》を経て、刃に向かって平らな形状を描く刃の形状のことです。
その名の通り、古くからスカンディナビア半島周辺で好まれてきた刃の形状の一つです。
伝統的なスカンジナビアンエッジは、ブレードの中腹以上の高さからベベルが始まるのに対し、近代的な流行ではベベルが比較的低い位置から始まるのが特徴です。
これは、ブレードの厚みと刃幅が同じナイフで比較すると…
・伝統的《トラディショナル》:
刃先の角度が鋭くなり切れ味が良く細かい工作に向く。刃持ちは犠牲になる。
・近代的《モダン》:
刃先が鈍角になりタフな刃になり力強い作業に向く。切れ味は実用の範囲にとどまる。
という特徴が出てきます。
目的に応じた刃物を用途ごとに使い分けて用いる北欧では伝統的な深いベベルのエッジが好まれてきましたが、近代になり、刃持ちの良さを好むUK、US、カナダ等アングロサクソン系の地域の刃物の利点も取り入れられて、伝統の形から徐々に変化してきたのではないかと想定されます。
これを踏まえて改めて当製品ALOKASを見ると、ベベルの開始点という着眼点であれば近代的《モダン》な部類のスカンジナビアンエッジに区分されるのではないでしょうか。 ただしブレードの厚みが約2mmで、さほど厚くないため、使い心地は伝統的なスカンジナビアンエッジに近いものとなり、それぞれの長所を活かしたバランスのいいナイフとなっています。